胃内視鏡検査
食道がんや胃がんなどの上部消化管の病気の早期発見には胃カメラ検査が欠かせません。しかし多くの患者さまにとってはどうしても「胃カメラ=苦しい検査」というイメージがついて回ります。そのためこれまでの内視鏡スコープの改良は正確に病気を診断できる目的と同時により楽に検査が受けられるための工夫を目的とされてきました。そこで登場したのが“経鼻内視鏡”と呼ばれる非常に細いスコープです。
しかしその細さゆえ画像診断にやや難点があるのも事実です。この2つの問題点を克服するため最近開発されたのが新細径高画質スコープ「GIF-PQ260(オリンパス社)」です。スコープの太さは7.9mmで経鼻内視鏡(5.0mm)よりは太く口からの挿入になりますが、従来のGIF-Q260(9.2mm)よりかなり細く挿入性、操作性が向上し患者さまの負担が軽減しました。画像もGIF-Q260と殆ど変らず後述のNBIと組み合わせることでより精度の高い診断が可能になりました。
ふじた医院では平成22年1月よりこの新細径高画質スコープを導入しより胃カメラがより苦痛なく行えるようになったと実感しています。「胃カメラはちょっと…」と思われている方はぜひ一度当院で検査を受けてみてください。
ABC検診について
日本において胃がんによる死亡率は減少傾向にはありますがいまだ年間約1万人の方が胃がんで亡くなっておられます。これを少しでも減らそうと全国自治体で胃レントゲンによる胃がん検診が行われています。しかしレントゲンによる検診は放射線の被ばくや読影する医師が多くないこと、また読影の際の見落としなど多くの問題点が指摘されてきました。
近年、胃がんはピロリ菌(HP)と深く関係していることが分かってきました。ピロリ菌に感染すると胃に慢性的な炎症がおこり「萎縮性胃炎」と言われる粘膜の変化を生じ、そこから胃がんが発生すると考えられています。そしてこの萎縮性胃炎はある程度進行するとペプシノーゲン法(PG法)という血液検査をすることで直接内視鏡で確認しなくても分かることが知られています。
そこでこのHP検査とPG法を組み合わせることで胃がんになりやすい人たちを「ふるいわけ」をすることができるのではないかという考えのもとABC検診が誕生しました。
具体的には下の図のようにHPとPGの結果でAからDまでのグループに分けて胃がん危険率を評価するというものです。たとえばピロリ菌に感染していないA群の人は、将来的なことも含め胃がんが発生する可能性は極めて低いので胃がん検診として胃レントゲンや内視鏡検査をする必要がありません。一方C群やD群の人は定期的な内視鏡検査をして胃がんの早期発見に努めることが重要となります。
グループ | HP | PG | 内視鏡検査 | 胃がん発見率 | 胃がん発生率/年 |
---|---|---|---|---|---|
A群 | - | - | 必要なし | 0.0% | ほぼ0 |
B群 | + | - | 3年に1度 | 0.2% | 1/1000 |
C群 | + | + | 2年に1度 | 1.9~2.4% | 1/400 |
D群 | + | + | 毎年 | 1/80 |
ただしこのABC検診により胃がんの死亡率が減少するという確かなデータは出ておらず、ABC検診を採用している企業や自治体はいまだ少ない(平成23年4月現在6自治体3企業)のが現状です。しかし今後この検診が広まることで無駄な検査を減らし胃がんのリスクの高い人は早期ににガンを見つけることができるようになると考えられています。
CLINIC INFO
診療時間
休診日:木曜午後、土曜午後、日曜・祝日
※金曜日は発熱外来を20時まで延長しています。
※往診・訪問看護についてもお気軽にお問い合わせください。
医療法人ふじた医院
〒600-8267
京都市下京区大宮通七条下る御器屋町67番地
(七条大宮西南角)
- JR「京都」駅より徒歩15分。
- 「七条大宮」バス停より徒歩1分。
当院南隣りの専用駐車場をご利用ください。
京都市下京区大宮通七条下る御器屋町67番地(七条大宮西南角)